シリーズ-2 JR京浜東北線で巡る地学遺産

地学遺産は地学史に関わる遺産で、有名な露頭・標本・石碑・場所・施設などを指します。
JRみどりの窓口等で「都区内パス」(750円)を購入するのが便利です。

  1. 北区飛鳥山博物館(王子駅)には王子貝層と中里貝塚の常設展示(剥ぎ取り標本など)が見学でます。
  2. ブラウンスの露頭(王子駅):ブラウンスは日本で最初の第四紀地質・貝化石論文を1881年に書きました。ローム層の命名者でもあります。その調査地点のひとつが保存され見ることができます。
  3. 中里貝塚(上中里駅):低地に形成された貝塚で、江戸時代には蠣殻山と呼ばれました。1886年に白井光太郎によって報告され、現在公園化されています。
  4. 松浦作用彦の墓(谷中墓地、鶯谷駅):松浦は大森貝塚を調査したひとりで、発見者のモースの愛弟子です。墓の裏面にモースの碑文が残されています。
  5. 日比谷公園の石材(有楽町駅):第2代地質調査所長の巨智部忠承が日比谷公園開園(1903年)直後の1905年に「公園の友」という巡検案内書を書きました。開園時のままに残されている門柱があります。
  6. 品川歴史館(大森駅):大森貝塚の展示があります。
  7. 大森貝塚(大森駅):1877年にモースによって発見・調査されました。ともに井内石による石碑が2ヶ所に建立され、発掘地は公園になっています。
  8. 阿波丸事件殉難者之碑(増上寺、浜松町駅):1945年4月に台湾海峡で撃沈され、2000名以上が亡くなりました。石碑に全員の名前が刻まれていて、この中に地質調査所員ほかが含まれています。明治時代ではありませんが、知っておくべき事件です。

(千葉支部会田信行)