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専報58 メコンデルタの地下水ヒ素汚染─タイ島の実態と対策─
著者 | ISSN | 判型 | ページ数 | 頒価 | 送料 |
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AAN・メコン川流域地下水ヒ素汚染研究グループ | 0912-5760 | A4判 | 152頁 | 1,000円 | 240円 |
2008〜2011年度までの主にベトナムのタイ島における地下水ヒ素汚染についての調査研究活動および対策活動の成果をまとめたものである.専門家向けの論文集としてではなく、メコングループの取り組みや成果を内外の多くの方々に知ってもらうことを目的にしている。 12頁にもおよぶ巻頭のカラーグラビアは圧巻である。本文も図表類が多く使われ、理解しやすい。各章ごとの要旨が邦文・英語・ベトナム語でまとめられており、現地の方々にも成果を返していくという意図があるという。国際的な普及活動の新たな取り組みという意味でも重要な出版である。ヒ素問題に関心のある方もない方も、三位一体の科学運動を考えるという意味で、学ぶべきものが多い。是非ご一読を。 主な内容 第1章 まえがき 第2・3章 メコンデルタ地域の地形と地質、気候、農業の概要について、主にベトナム側の最新情報にもとづき紹介。 第4章 メコンデルタ地域の地下水ヒ素汚染の広域的調査結果についてのまとめ。 第5章 タイ島の地形および地下地質の調査成果を報告。地層の区分や地層の形成年代、地層の形成環境を考察。 第6章 タイ島で掘削した2本のボーリングから得られたコアの堆積物粒度分析成果と地層の堆積環境についての考察。 第7章 ボーリングコアの鉱物・元素分析・ヒ素濃度分析などのデータから、 ヒ素を含む各種物質の層位的分布、物質相互の相関関係などを解析。 第8章 地下水およびメコン川の水位観測資料から、タイ島における地下水流動特性を明らかにし、メコンデルタの広域的地下水流動系についても考察。 第9章 地下水の水質分析結果から、地域別・帯水層別の地下水水質特性を検討し、地下水ヒ素汚染との関係を検討。 第10章 これらの資料を考慮しながら、ヒ素の供給地と堆積の場、および堆積物中でのヒ素の挙動(吸着・結合と離脱など) を考察し、地下水ヒ素汚染の形成メカニズムを考察。 第11章 タイ島におけるヒ素中毒の現状調査結果と今後の対策について記述。 第12章 タイ島でのヒ素汚染地下水の利用を目的に、家庭用の簡易浄化装置を作成し、 ヒ素の除去性能のほか、 飲用水適応試験など実験的な機能試験を実施。 第13章 水源を河川水に求めて, 村落用の浄水施設を設計し設置工事を実施。その企画から完成に至る実験的改水事業について記述。 要旨(和文・英文・ベトナム語)/文献/あとがき |