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専報61 福島第一原子力発電所の地質・地下水問題―原発事故後10年の現状と課題―
著者 | ISSN | 判型 | ページ数 | 頒価 | 送料 |
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福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ | 0912-5760 | A4変形判 | 228頁 | 1,000円 | 240円 |
2011年3月11日に発生した2011年東北地方太平洋沖地震および東京電力福島第一原子力発電所(以下、福島第一原発)の事故から10年が経過した現在も、福島県では原発事故に伴う帰還困難区域の設定により避難を余儀なくされ、県内外で避難生活を送っている人が3万5千人を超えている。廃炉作業は困難を極めており、事故から10年が経過しても溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しは始まっておらず、放射性物質による汚染水問題も解決していない。 汚染水問題の解決のためには、原発敷地地下の地質や地下水の状況を把握することが必要である。しかし、東電や国が進めようとした汚染水対策は,実際の地質や地下水の状況をしっかりと調査・把握せずに「工法・対策ありき」で安易に計画・実施されたため,それがうまくいっていないことが考えられた。 本専報は、地学団体研究会(略称:地団研)の有志が集まって発足した、福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ(略称:原発団研)による論文集である。 原発団研では「団体研究」の方法で、次の2点を目標に研究をすすめた。 1.福島第一原発の汚染水問題に関して、東電や国などから公表される資料をチェックし、 地質や地下水の専門的立場から汚染水対策を監視し、問題点を明らかにするとともに必要な提言等を行う。 2.福島第一原発敷地と類似した地質条件を有する南相馬市などで地質・地下水に関する現地調査を行い、その結果を福島第一原発汚染水問題の検討・解決のために役立たせる。 この専報では、これまでの汚染水対策では不十分であるため、原発団研として当面10年程度の中期的対策や100年を超える長期的対策についても問題提起をしている。 本専報が、福島第一原発事故後10年の現状と課題をまとめた一つの記録集になるとともに、今後の安全で確実な汚染水対策や廃炉作業の計画と実施の一助となり、さらには原子力発電の危険性や問題点を地質や地下水の観点から指摘した専門書として広く活用されることを期待する。 【目 次】 はじめに 第1章 福島第一原発事故の経緯と原発団研の活動 第2章 福島第一原発の汚染水問題とこれまでの対策 第3章 浜通り地域と福島第一原発周辺の地形と地質 第4章 福島第一原発の地下地質 第5章 福島第一原発の水文地質 第6章 福島第一原発の地下水流動 第7章 福島第一原発の汚染水対策の評価と課題 第8章 福島第一原発の地盤問題 第9章 福島第一原発廃炉の課題―地質・地下水の視点から― おわりに |