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地学双書38 火山地質学の基本問題—私の火山の見方—

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小森長生1342-6001A5判116頁1,000円240円
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  本書は、火山地質学にかんする基本的な問題のいくつかについて、私(著者:以下同じ)の考えをのべたものである。
  私は2013年に『惑星地質学序説』という小著を書いた。この本は地球上の地質学の知識を土台にして、地球型惑星や衛星の地質学的問題を論じたものであった。
  私はこの本を書いたあと、惑星的な広い視野をもちながらも、地球の地質学自体のいくつかの問題について再考しなければならないと思うようになった。
  そこでまず、火山地質学にかかわる問題点をとり上げることにしたわけである。
  もとより、ここでのべたことは、私の素朴な疑問から始まったものである。したがって、地質学や火山学の研究者からは失笑を買うようなものであるかもしれない。しかしながら、私は私なりに記しておくことも、多少の意味があるのではないかと思っている。
  とくに、常識とか定説とされてきたものにも、かんたんに見過ごすことができないものがあり、そういったものを再検討することも必要であろうと考えたのである。
  今回の本は、先の『惑星地質学序説』の続編あるいは姉妹編のつもりで書いた。前に書いたことと同じことをのべた部分もいくつかあるが、その論旨や考え方が前著とはくいちがっているところがある。これは前著(2013年)から数年間のうちに、私の考えが変化(進化?)したものであることをご了解いただきたい。
(『地学双書38 火山地質学の基本問題―私の火山の見方-』の「まえがき」より)
 『地学双書37 惑星地質学序説』も、あわせてご覧ください。

【目次】
  • まえがき
  • 第1章伊豆大島火山の再検討
    • 伊豆大島火山とは/1986年の大噴火/大噴火は過去に何度もおこっていた/大島のカルデラをめぐる問題点/この章のまとめ
  • 第2章火山の噴火様式とマグマの性質
    • 噴火の様式についての一般的なみかた/同一火山でも噴火様式がいつも同じとは限らない/玄武岩質火山の爆発的噴火をどう考えるか/タラウェラ火山とマサヤ火山/惑星地質学の見地から考える/いま改めて古富士火山の正体を問う/この章のまとめ
  • 第3章火山のカテゴリー
    • 火山の2つのカテゴリー/凸火山の代表としての成層火山の基本的問題/海外でのツメ成層火山の存在様式/親ガメの上に子ガメが……論/凹火山,とくにカルデラ火山について/十和田カルデラの問題点を検討する/バイアス型カルデラについて再考する/いま改めて問う、湊正雄のカルデラ形成論/カルデラと火砕流のかかわり/カルデラの定義についてふたたび/追記/この章のまとめ
  • 第4章火山の時代性(歴史性)と地球の活動史—その惑星地質学的考察
    • 火山の時代性とはどういうことか/森本良平と古火山学/第四紀以前のカルデラ火山活動/溢流玄武岩(いわゆる洪水玄武岩)をめぐる問題/地球型惑星の場合は/コマチアイトとキンバーライト/周期的か非可逆的か/地球の熱源と活動史(とくに潮汐加熱について)/地球のグリッドシステムと火山活動/この章のまとめ
  • あとがき
  • 文献
  • 索引

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