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地団研ブックレット18
福島第一原発の汚染水発生量を抜本的に減らす対策
―海洋放出開始後の実態を踏まえて―

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福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ0918-5372A5判52頁100円8冊まで
240円
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「処理水」の海洋放出が行われる一方で、汚染水そのものは今でも日々発生し続けており、新たに発生した「処理水」を保管するためのタンクが新設されるありさまです。2023年8月から2024年3月までに放出された「処理水」の量は3万1千m3余りで、放出されたトリチウムの総量は約4.5兆ベクレルにおよびます。しかし、この間に約1万7千m3の汚染水が新たに発生しました。しかも、新たに発生した汚染水のトリチウム濃度は19万~31万ベクレル/リットルで、放出した「処理水」のトリチウム濃度13万~17万ベクレル/リットルよりも高くなっています。このままでは、海洋放出が30年で終了する見込みはなく、トリチウムやそれ以外の放射性物質による海洋汚染や風評被害が心配されます。汚染水問題および「処理水」の海洋放出問題を解決するためには、今こそ汚染水の発生量を早急かつ抜本的に減らすことが必要です。
この冊子は、発行から2年となる地団研ブックレット16の内容を更新し、どうしたら汚染水の発生量を減らすことができるのかを、さらに分かりやすく解説したものです。2023年8月から強行された「処理水」の海洋放出の実態や問題点についても加筆し、地団研ブックレット18として新たに発行することにしました。この冊子が、福島第一原発の汚染水問題や海洋放出問題を解決させる取り組みの一助になれば幸いです。(「はじめに」より)
今後のデブリ取り出し作業や長期にわたる廃炉作業をすすめていくうえでも、汚染水の対策は喫緊の課題です。本書はその汚染水対策について簡潔に学ぶことができます。ぜひ、ご一読下さい。

【もくじ】
  • はじめに
  • Ⅰ福島第一原発の汚染水
    • 1汚染水はどのように発生するのか?
    • 2福島第一原発の立地と地下水
    • コラム(1)地下水のはなし
    • コラム(2)事故前から大量の地下水をくみ上げていた
    • 年表(1)福島第一原発建設計画から事故直後まで
  • Ⅱ課題の多い東電の汚染水対策
    • 1汚染水はなぜ増え続けるのか
    • 2汚染水対策をよくみると
    • コラム(3)タンクからの漏えいは軟弱な地盤が原因
    • コラム(4)東電に求める情報公開
  • Ⅲ「切り札」と言われた対策の実態
    • 1「地下水バイパス」の計画は机上の空論
    • コラム(5)原発団研と東電の地質断面図を比べる
    • 2凍土壁は地下水を防げたのか
    • コラム(6)凍土壁に用いられた凍結工法とは
    • 年表(2)汚染水問題表面化から汚染水対策の推移
  • Ⅳ抜本的な対策の提案
    • コラム(7)集水井とは?
    • コラム(8)地中連続壁とは?
    • コラム(9)抜本的な対策の効果予測
    • コラム(10)東電の「広域遮水壁評価」への反論
  • Ⅴ強行された海洋放出
    • 1汚染水の海洋放出の経緯
    • コラム(11)疑問の多い海洋放出設備計画
    • コラム(12)海洋放出は30年で終わるのか?
    • 2汚染水の海洋放出の問題点
    • コラム(13)薄めてもダメ、「トリチウム水」
    • コラム(14)放出されたトリチウム以外の放射性物質
  • Ⅵ今すぐ抜本的な汚染水対策を
    • 1不十分な国・東電の汚染水抑制対策
    • 2抜本的な対策実施と調査・モニタリングを
  • 私たちの活動について
    • 1原発団研の発足と活動の特徴
    • 2論文集とブックレットの刊行
  • 年表(3)海洋放出開始に至るまで
  • 引用文献
  • おわりに

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